第09回の連載では、24歳の筆者のセクシュアリティを分解してみます。
2012年の筆者は、24歳でした。当時の筆者のセクシュアリティは、「性自認がない無性別のMtXトランスジェンダーでパンセクシュアル」でした。
24歳の頃は、セクシュアルマイノリティの活動に参加する機会が増えて、自己紹介をすることが多くなりました。セクシュアルマイノリティの活動の場で自己紹介をするとなると、自分のセクシュアリティを話すことになります。だから、自分のセクシュアリティが何かをよく考えるようになりました。性自認については、2009年に「自分は男じゃない」と気付いてからずっと自分の性自認は何か考えてきたので、自己紹介で言うことができました。しかし、性的指向に関してはそれまであまり考えてきたことがありませんでした。当時お付き合いをしている人がいなく、2011年の23歳まで自分がゲイでないのにゲイの人の中にいたこともあり、自分の性的指向が何かあまりよく分かっていませんでした。
2012年の秋に東京都北区でセクシュアルマイノリティに関する講座が行われました。この講座で筆者は「男でも女でもない性自認」について話しました。この講座では、参加された方から筆者に性的指向についての質問がありました。質問に対しては「自分の性的指向はパンセクシュアル」と答えました。パンセクシュアル(英語ではpansexual)は、日本語では「全性愛」といい、男性、女性という性別の分類に適合しない人を含め、恋愛相対象になる人の性別を限定せず、特定の人に恋したり、性的願望を抱くことをいいます。どうしてこの質問に対して「パンセクシュアル」と答えたのかというと、これまでに人を好きになった時に相手の性別がどうかは気にしたことがなかったらです。筆者にとって当時、好きになる人の性別が限定されているとは思っていませんでした。
2012年の筆者の性的指向はパンセクシュアルです。当時知っていた性的指向はヘテロセクシュアル(異性愛)、ゲイ、バイセクシュアル、レズビアン、パンセクシュアル、アセクシャルだけでした。だから、この中から筆者の性的指向に近いものはパンセクシュアルになります。しかし、自己紹介でパンセクシュアルと言っていても自分がパンセクシュアルという意識はあまりなかったと思います。
筆者のセクシュアリティの「トランスジェンダー」については次回の連載でお話したいと思います。
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