連載|第07回「筆者のセクシュアリティを分解してみた vol.05」

 第07回の連載は、22歳の頃の自分のセクシュアリティを自己紹介で「MtX」と言い始めた時期についてです。

 筆者が22歳の頃というと2010年ですが、その頃はセクシュアリティについての知識がなく、インターネットで「男でも女でもない性別」について調べていました。しかし、有力な情報を得ることができませんでした。ポータルサイトの検索エンジンを使って検索しても「生まれた時の体の性別が女で、女でも男でもない性別の人」の情報ばかりで、「生まれた時の体の性別が男で、男でも女でもない性別」の情報は全然ありませんでした。当時、「これだ!」と思える情報がなかったことしか覚えていません。その中で唯一得ることができた情報が「MtX」でした。MtXは、Male to Xの略です。Maleは、生まれた時の体の性別が男の人のことで、to Xは、生まれた時に割り当てられた性別から男でも女でもない性別へ移行、または、越境したことを表します。MtXに類似した用語としてFtX(Female to Xの略)があります。それで、2010年12月に初めてセクシュアリティに関する活動の場に行った際に書いた紙に自分のセクシュアリティを表すものとして「MtX」を書きました。MtXを使っていても自分にとってXが何を表すのかははっきりしていませんでした。「MtXのXは何のことをいっているのですか」と聞かれても当時の筆者は答えれません。それぐらい、生まれた時の体の性別が男で、男でも女でもない性別に関する情報は得てなかったです。
 22歳当時の筆者は、セクシュアリティに関する知識を今と比べると全然知らなかったです。性的指向がレズビアンという人がいるということは知っていても2010年12月になるまで会ったことはありませんでした。他者に対して自分の性的指向がレズビアンと話している人に会ったことがないといった方が正しいですが、2010年当時の筆者だったら、性的指向がレズビアンの人に会っていたとしても、その人が筆者に「自分はレズビアン」と言わない限り、性的指向がレズビアンの人に会ったとは思わないです。その当時、ゲイでないことに気付かず、ゲイの人の中にいた頃なので筆者に対してセクシュアリティを明かす人といったら性的指向がゲイの人ぐらいでした。 

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